病床雑詠
遺憾なり半生の間鍛え来しつるぎ抜き得ず力しなへて 久しくも白虎に会はず青竜も薯蔓わづか三日に一銭 十月二十七日 枕べに人の侍りて筆とりて我が思ふこと誌しくれなば ひねもすをいねつつくらす身とならば生き残るとて甲斐あらめやも十一月二十五日
〔昭和二十一年(一九四六)〕
同志野坂を迎へて
同志野坂新たに帰る 正にこれ百万の援兵 我軍これより 更に大に振はむ 刑余老残の衰翁 竜鐘として垂死の床に危坐し 声を揚げて喜ぶ
われもし十年若かりせば 菲才われもまた 筆を提げ身を挺して 同志諸君の驥尾に附し 澎湃たる人民革命の 滔天の波を攀ぢて 共に風雲を叱咤せんに
露のいのち 落ちなむとして未だ落ちず 幸にけふのよき日に逢ふを得たれども 身はすでに病臥久しき〔に〕亘り 体力ことごとく消え去り 気力衰へてまた煙の如し 遺憾なるかな
同志野坂 国を去りてより十有六年 万里を踏破して 新たに帰り来るの日 空しくわれ病床に臥して 思ひを天下の同志に馳せ 切にその奮起を祈つてやまず一月十六日
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