クレジットカード会社の督促業務は支払遅延の度合いによって担当が分けられている。早期の遅れであればアルバイトや派遣社員が電話などで支払を促す程度だが、遅れが長期間続くと法的な手続きが行われる。
ショッピング利用の場合は20日以上の猶予を与えた督促状が発送される。それでも遅れが解消しない場合には「期限の利益」が失われ、一括請求できる権利がクレジットカード会社に与えられる。
キャッシングの場合は1日でも支払が遅延すると期限の利益を失う。期限の利益が喪失すると裁判所に対して支払督促の送達を依頼することができ、クレジットカード会社は最終的には強制執行することができる権利「債務名義」を取得できる。
クレジットカード会社が強制執行をするためには「債務名義」が必要だ。債務名義には裁判所が発行する「判決文」「調停調書」「和解調書」などがあり、公証人役場が作成する公正証書も債務名義のひとつだ。
裁判所からの支払督促を受けた場合、何もしないでいると判決文が作成され債務名義が確定する。 しかし異議の申し立てをすると口頭弁論が行われるため、自分の意見を述べることができる。
そこで分割払いなどの和解が成立すると「和解調書」が作成されることになる。和解調書も債務名義だが、調書の内容どおりに支払をすれば強制執行は避けることができる。
強制執行の対象は動産、不動産、債権などがある。動産はよほど価値がなければ執行しても債権の回収には結びつかず、不動産はすでに抵当権が設定されているケースが多い。
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