下手の道具立て

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...... 2013年06月26日 の日記 ......
■ 馬鹿な、馬鹿な!   [ NO. 2013062601-1 ]
 馬鹿な、馬鹿な! 貫一ほどの大馬鹿者が世界中を捜して何処に在る※ 僕はこれ程自分が大馬鹿とは、二十五歳の今日まで知……知……知らなかつた」
 宮は可悲と可懼に襲はれて少く声さへ立てて泣きぬ。
 憤を抑ふる貫一の呼吸は漸く乱れたり。
「宮さん、お前は好くも僕を欺いたね」
 宮は覚えず慄けり。
「病気と云つてここへ来たのは、富山と逢ふ為だらう」
「まあ、そればつかりは……」
「おおそればつかりは?」
「余り邪推が過ぎるわ、余り酷いわ。何ぼ何でも余り酷い事を」
 泣入る宮を尻目に挂けて、
「お前でも酷いと云ふ事を知つてゐるのかい、宮さん。これが酷いと云つて泣く程なら、大馬鹿者にされた貫一は……貫一は……貫一は血の涙を流しても足りは為んよ。
 お前が得心せんものなら、此地へ来るに就いて僕に一言も言はんと云ふ法は無からう。家を出るのが突然で、その暇が無かつたなら、後から手紙を寄来すが可いぢやないか。出抜いて家を出るばかりか、何の便も為んところを見れば、始から富山と出会ふ手筈になつてゐたのだ。或は一所に来たのか知れはしない。宮さん、お前は奸婦だよ。姦通したも同じだよ」
「そんな酷いことを、貫一さん、余りだわ、余りだわ」
 彼は正体も無く泣頽れつつ、寄らんとするを貫一は突退けて、
「操を破れば奸婦ぢやあるまいか」
「何時私が操を破つて?」風俗アルバイトs酒買って尻切られる -

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